頭皮のお悩みをタイプ別に考えていきます

 
保険治療では、薄毛・脱毛・フケといった頭皮のお悩みをタイプ別に考えていきます。薄毛では同じ症状でも様々な原因が複雑に影響していることが多く、また原因のはっきりしないことも多いのが特徴です。

代表的な薄毛・脱毛症

壮年性脱毛症

男性型脱毛症(AGA)とも呼ばれ、前頭部や頭頂部またはその両方が薄くなり、サイドや後頭部は比較的毛量が保たれていることがほとんどです。当院での保険による治療では、塗り薬を使って発毛を促していきます。
実はこの男性型脱毛症では、男性ホルモンが頭皮細胞内で別の物質に置き換わり、抜けるには早すぎる髪の毛をどんどん抜けさせてしまうということがわかっています。
自費治療で、この抜けてしまう過程をブロックする飲み薬(デュタステリド、フィナステリドなど)があり、これらは現在の治療の主流となっています。またハーグ療法(HARG療法)と呼ばれる、毛根周囲の細胞を活性化することで発毛を促す治療も行なっています。(自費診療はこちら)

女性のびまん性脱毛症

生え際やてっぺんが薄くなる男性型脱毛症(AGA)とは違い、頭髪全体の毛の密度が薄くなるような症状が見られます。極端なダイエットや加齢に伴うホルモンバランスの崩れなどが原因だったり、糖尿病や甲状腺疾患などが原因だったりします。そのため内科治療が優先されることも多い脱毛症です。保険による治療では塗り薬を使って発毛を促していきます。
自費診療にはなりますが、飲み薬(パントガール)やHARG療法を使うことで薄毛改善の可能性を高めることができます。(自費診療はこちら)

円形脱毛症

頭髪の一部が円形に抜け落ちる病気です。突然発症するのが特徴で、また症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことも少なくありません。
リンパ球が頭髪の毛包部分を攻撃し、発毛にダメージを受けることが原因とされていますが、どの段階でリンパ球がこう攻撃するかについては明確には解明されていません。アトピー性皮膚炎や甲状腺機能低下症などが関係していたり、ストレスや疲れなども関わっているとされ、疾患の治療と同時に規則正しい生活の心がけが大事になってきます。十分な休憩や睡眠を確保してストレスなどを貯めないことが一つの治療法で、軽度のものであれば1年以内に80%の方が治るという統計もあります。
当院での保険による治療では、塗り薬を使って発毛を促していきます。
またハーグ療法(HARG療法)と呼ばれる、毛根周囲の細胞を活性化することで発毛を促す治療も行なっています。(自費診療はこちら)

脱毛癖

自分で毛を引き抜いてしまってその部分の地肌が見えてしまい、あたかも円形脱毛症のような見え方をすることがあります。抜毛癖(ばつもうへき、抜毛症、トリコチロマニー)と呼ばれ、毛を抜くことに美容的な目的はありません。また頭髪に限らず、全身のあらゆる部分の毛が抜く対象になります。
抜毛癖では患部を拡大鏡で観察することでちぎれた毛先が見られます。心因性のもので、髪の毛を引っ張る癖を治すことで改善していきます。

瘢痕性脱毛症

怪我や手術などで毛根やその周囲にストレスをかけると、脱毛されることがあります。毛発システムが保たれていれば、数ヶ月後に生えてくることが多いです。
問題は傷跡が瘢痕組織に置き換わった状態のもので、この場合、毛根やその周囲の発毛システムはありませんので、当然毛の生える余地はありません。頭皮が慢性的な感染症にさらされた後に、皮膚の瘢痕化が起こり禿髪(とくはつ)の状態になることもしばしばあります。
治療はこの場所を切除縫縮することで、物理的に瘢痕を取り除いていきます。通常頭部にはつむじがあり、ここを中心に渦状に毛が同じ方向に向いている毛流というものがあります。最終的な皮膚の移動によりこの毛の流れを損なわないように、単純縫縮皮弁形成術などを駆使した縫合を行っていきます。

代表的なフケの原因

乾燥性湿疹

乾燥した皮膚の角質はフケとなり、また痒みを引き起こすため、湿疹やついついかいてしまうことで、さらなるフケにつながります。
頭皮は他の皮膚と同様に乾燥しますので、まずは頭皮の保湿が優先されます。フケを落とそうと念入りにシャンプー・洗髪をすることは、頭皮を傷つけ、よりフケ・乾燥を引き起こしますので、シャンプーの使用量や頻度を抑えるだけでも効果的です。
また、頭皮に適したローションプレシャンプータイプのステロイド外用薬を使い、湿疹・炎症を沈静化することで、正常な肌へと改善していきます。

脂漏性皮膚炎

頭部や顔面など、皮膚からのあぶら(皮脂)の分泌が多い場所では、脂漏性皮膚炎と呼ばれる皮膚炎が起きることがあり、黄色や白色のフケのようなものが見られたり、皮膚に赤みが見られたりします。
治療としては炎症を抑えるためのステロイド軟膏、マセラチア菌が増えないように塗り薬の抗真菌薬を使う、痒みが強い場合には抗ヒスタミン内服薬を併用していきます。

白癬菌

真菌感染が原因で頭部に白い斑点ができる、白癬しらくも)とも呼ばれる皮膚真菌症があります。ペットからの感染やコンタクトスポーツによる人からの接触性感染などが原因です。頭皮のただれが毛根に影響し、フケや脱毛症状が見られることがあります。保険治療では抗真菌薬を患部に塗ることで治していきます。

女性の顔
女性の顔
保険診療での薄毛の治療は、頭皮を整えることで髪の毛を生える環境を良くしていこうという考えですね。そして自費診療では、毛を作るシステムや毛となる材料そのものにアプローチすることで改善していく治療が多い気がします。
男性の顔
男性の顔
頭皮のトラブルでは、シャンプーから植毛やアートメイクまで色々なケアや治療が行われていますが、治療の方向性が多岐にわたるという意味では、形成外科皮膚科でも珍しい疾患かもしれません。あざみ野駅前形成外科は、保存的治療から手術まで、保険と自費診療の両方を扱うといったある程度の治療範囲をカバーしているクリニックです。だからこそ条件を加味した上で、数ある治療の中から患者様の利益を考えた方法を提案していけると思います。

 
 

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